もう顔も覚えていないあの人が 澱(おど)みとなりていずいのしゃ だれ
照滴077
本文
もう顔も覚えていないあの人が 澱(おど)みとなりていずいのしゃ だれ
形式
#短歌
カテゴリ
#6.情愛・人間関係
ラベル
#恋愛 #精神 #喜怒哀楽
キーワード
#顔も覚えていない #澱み #いずい #思い出 #人間関係
要点
記憶に薄れた相手が心の澱となり、不快な感情を残す。
現代語訳
もう顔も覚えていないあの人が、心の澱となってざわつく。ああ、まったく。
注釈
澱み:心に残る嫌な感情や未解決の記憶
いずい:仙台弁で不快な感じ、違和感、異物感
しゃ:仙台弁の語尾。~さ
だれ:仙台弁の感嘆詞。ああ。なんと。まあ。まったく。
解説
過去の人間関係の影響が現在の感情に残る心象を表現。
深掘り_嵯峨ほか
過去の記憶の曖昧さと残滓の苦しみを詠んだ歌です。「顔も覚えていないあの人」という忘れ去った存在が、「澱み」(心の底に沈殿した、濁ったもの)となって苦しみを残している。記憶と苦悩の深淵を描写しています。